業務改善フレームワーク「ECRS」とは
2022.02.20.
先日、業務改善フレームワーク「ECRS」をテーマにした社内勉強会を実施しました。
参加対象は各部署の業務改善推進担当者でした。
「ECRS」とは
「イクルス」と読み、業務の課題を洗い出し、解決策を打ち出すための業務改善に用いられるフレームワーク
E:Eliminate(排除する)
C:Combine(組み合わせる)
R:Rearrange(再配置する)
S:Simplify(簡素化する)
最大の効果を得るためにはE→C→R→Sの順に改善を考えるのが重要
E:Eliminate(排除する)
業務改善を行う上で、1番最初に検討すべき点が「排除」です。
先ず、作業工程の目的・意味が何か考えます。作業目的が曖昧になっている工程は不要である可能性があります。排除可能か、他の簡便的な方法に置き換えることができるか検討します。
C:Combine(組み合わせる)
Combine とは、作業工程を整理し、適切な形にまとめることを表します。
類似・重複作業を1つにまとめたり、反対に複雑化している作業工程を分離することで工程内容をシンプルにわかりやすくします。
R:Rearrange(再配置する)
Rrearrange は、E, C で作業工程を整理した後に、順序や作業担当者を入れ替えたりする調整、編成の過程です。
S:Simplify(簡素化する)
最後の Simplify は、作業工程や作業内容を簡潔にわかりやすくすることを示します。
具体的には、ITツールを用いて作業そのものを単純化したり、システムを使って情報共有を簡易化することです。
ECRSを実践する上で大事なことは、先ず業務プロセス全体を構造的に把握することです。
現状において「どの業務プロセスで何が行われているのか」を俯瞰できるフローチャートやプロセスマップを作成し、見える化することが重要です。
ECRS の具体例
具体例として、「トヨタ生産方式」に見られるトヨタ自動車の徹底した「ムダの排除」が挙げられます。「トヨタ式」では、発生しやすいムダとして7つのパターンを提唱しています。
トヨタ生産方式「7つのムダ」
・加工そのもののムダ
・在庫のムダ
・作りすぎのムダ
・手待ちのムダ
・動作のムダ
・運搬のムダ
・不良をつくるムダ
この考え方を事務作業に置き換えて考えてみました。
・加工そのもののムダ
生産価値につながらない工夫を凝らしている
(例:資料のデザインを凝り過ぎている)
・在庫のムダ
必要な作業かどうか確認せず、作業をしてしまう
(例:不要な事前準備、過度なダブルチェック)
・手待ちのムダ
指示待ちになっている、前工程の作業が終わるのを待っている
・動作のムダ
資料・ファイルが適切に共有されておらず、情報を探すのに時間がかかってしまう
・不良をつくるムダ
指示が徹底できておらず、目的に沿わない作業をさせてしまう
(例:作業目的の説明が不十分のため、作成された資料が本来の目的に合っていない)
ECRSや「7つのムダ」の考え方は、日常生活にも活かせると思うので取り入れてみようと思います。
例えば、「C:Combine(組み合わせる)」の類似作業をまとめて行うことは実践したいです。夕食の準備をしながら、翌日のお弁当の準備もまとめて行うとか、仕事も家事も効率よくできるといいなあと思います。
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参考